第9章 私の一人旅
「ルナ…」
『っ…ぅ…紅覇ぁ…っ』
堪えられずに、ルナは泣き出す。
立っていられなくて、座り込んだ。
すると、シンドバッドと八人将がオドオドし始めた。
「っだ、大丈夫ですかっ…?」
『なん、でっ…紅覇のお熱をっさ、下げようとしただけっ…なのにっ…ヒック』
「ルナちゃん…」
『1日で帰るつもりだったのにぃっ…!!』
止めどなく溢れ出てくる涙。
ヤムライハやピスティが近寄り、慰めるも…ルナは泣きやまない。
「な、治ったら、煌帝国に帰りましょう?」
「きっと、ルナのご主人は元気になってるよ」
『ぅ、ヒック…そう、かなぁ…っ』
少し落ち着きを取り戻したルナ。
頭の中で、考える。
…紅覇、大丈夫かな…
自分のことはどうでもいい。
自分のことより、紅覇が心配だ。
『っ』
優しくて…何気に寂しがりやで…
大好きな、紅覇…。
今すぐに会いたい…
抱きつきたい…
キスしたい…してあげたい。
でも、自分の怪我が治らないと、煌帝国に帰れないし…紅覇にも会えない。
『……治るまで、ここにいる…』
早く治して、紅覇に会いに帰ろう。
まだ不安が残っているものの、ルナは決めた。