第9章 私の一人旅
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「すまなかった。」
『…だから、違うってばぁ』
シンドバッドまで謝るから、ルナはもううなだれるしかなかった。
少しくらいは話を聞いてほしい。
「…違う、というと?」
『っ!私の話、聞いてくれるのっ?』
ヤムライハとは違うシンに、ルナは輝きの目を向けた。
「何か、意味があるのなら…」
『んー意味っていうか……私、偉い人なんかじゃないよ。』
「…?」
首を傾げるシンドバッドと…何故か八人将全員(揃う必要があったのか?)。
「…偉い人では、ないのですか…?」
引け目に、小声で聞いてくるヤムライハ。
私は、仕方なく全て話すことにした。
『…私は、煌帝国の第三皇子、練紅覇のペット。
それだけだよ。別に偉いなんて…』
《十分偉いじゃない(です)かっ!!》
『っ偉くないってばっ!!(怒)』
なにも声をそろえて言わなくても…っ!!
『町の奴隷商人の側に居たとき、紅覇に気に入られて…そのまま拾われただけなのっ!』
「…あれ?」
『だから、偉くなんかないのっ!!何回言えばいいのぉっ…』
「っ、待って…ペットってなにぃ?」
ピスティが、可愛らしく首を傾げる。
『?…そのままだけど…』
「だって、ルナって人間でしょ?何でペットなのー」
『え?だって私、猫だもん。』
《はあああ゙あ゙っ!!???》