第9章 私の一人旅
『けほっ…ゴホッ』
「…?」
ジャーファルから手を離し、ルナは咳をした。
「それで、シン。」
「…あ、ああ、何だ?」
「明日、彼女は煌帝国に戻りたいそうです」
「…明日か…」
『ゲホッ』
「…なら、今日は二日酔いにならないように気をつけなければ…」
「…」
「…冗談さ。そこまで飲まないよ。」
『けほっゲホッ……ジャ…ルさ…っ』
突然、ルナがうずくまってしまった。
俺は、座っていた椅子から立ち上がる。
「ルナっ?」
「ぇ」
『苦しっ…ゲホッ、ゴホッ』
「っルナさんっ!?」
「どうしたっ!」
あまりにも苦しそうなルナ。
思わず俺は、彼女に近寄った。
ジャーファルも、酷く咳をするルナを支える。
でも、彼女の咳は止まらない。