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【マギ】僕の猫、撫でてみる?

第9章 私の一人旅


 
 
優しく微笑みながら、部屋に入ってきた人物。
煌帝国では見たことがない服を着ている。

口調が穏やかで、優しそうな雰囲気をまとうその人を
まじまじと見つめ…
ルナは、危ない人ではない、と敵意を沈めた。


『…ここ、どこ?』

「ここは、シンドリアという国です。
 ルナさんは、煌帝国から来たんですよね?」
『そう、だけど…な、何で、私の名前…』
「…ああ、あなたと一緒に船に乗っていた夫婦から、聞いたんですよ。」
『ふーん…』


ベッド脇…窓際にあるテーブルの上で、ガラスのコップに水を注ぐ彼。
ルナは、まだ気持ち悪い胸を押さえながら、起き上がった。

『…お兄さんは…なんて名前?』
「私はジャーファルです。この国の政務官ですよ」
『…せいむかん…』


きっと、偉い人だ…

どういう役職かは分からないものの、"政務官" と聞いただけで、偉い感じがした。



「どうぞ」
『あ、ありがとう…』

水を差し出され、有り難くいただいた。


ひんやりと冷たい水が、気持ち悪い胸の内を通っていく。
一口…二口飲むと、気分が落ち着いた。




『あの…』

「はい、何ですか?」
『……』


優しい笑顔で見つめられると、何も言い出せなくなる。

…紅覇とは違うけど…この人──ジャーファルさんも、優しい人なんだろうなぁ…。


『…外、賑やかだけど…何してるの?』


聞こうと思っていたことと、違うことを口に出した。


 
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