第9章 私の一人旅
『……ん、ん…?』
目覚めると、そこは見知らぬ場所で…
部屋が暗かった。
でも、窓の外は、色とりどりのライトで明るくて…
夜だ…
そう思った。
『…ここは…』
紅覇の部屋のような…紅覇の部屋じゃない部屋。
真っ白なふかふかのベッドに横たわっているルナは、窓から部屋の天井に目を移した。
…やっぱり、紅覇の部屋じゃない。
そう確信できた理由は…
紅覇の部屋…というより、煌帝国の宮廷の天井と、違うから。
どこだろう…?
見知らぬ部屋。
見知らぬ景色。
見知らぬ香り…。
何もかも、知らない。
ルナの心に、恐怖が芽生えた。
『っ…』
ギュッ…と、小さな両手で掛け布団を握りしめる。
と、その時。
「おや、目が覚めましたか?」
『っ!?』
ビクッと肩が揺れた。
思わずルナは、逃げる体勢をとる。
「あ、そんなに警戒しないでください。
大丈夫です、私はあなたの敵ではありません」
『…っ…ほんと…?』
「はい。…何もしません、安心してください。」