第9章 私の一人旅
『うん。
そこに用事があるから』
「でも、良かったわぁ、目的地が同じで。
急ぎの用事なんでしょ?」
『…うん…。』
おばさんに聞かれて、少しだけ表情を曇らせるルナ。
そう、急いでるんだ…。
苦しんでる紅覇のために、シンドリアに行く。
大好きな紅覇を助けたいから…。
昔、私の主人だった人が住んでいた、シンドリア。
元主人は、医者で…よく、薬草を集めていたから、私は覚えてる。
高熱を下げる薬草を。
私はそれを求めて…シンドリアに行くの。
何の病気かは分からないけど…
せめて熱だけは、下げてあげたいから。
「それじゃ、出港しようか」
「そうね。遅くなるといけないから」
『ねぇ、本当にいいの?私が乗っても』
「ええ。何にも問題ないわ。」
「俺たち、元々はあそこに住んでるからな。
戻るだけなのさ。」
『そっか…。それじゃあ、宜しくねっ』
三人で木製の船に乗り、煌帝国を出た。