第9章 私の一人旅
───数時間後。
波に揺られながら談話していると、いつの間にかシンドリアが見えていた。
国の輝かさに、ルナは思わず歓声をあげた。
『わぁ~っ!すごい、キレイッ!!』
「今日は天気がいいなぁ。」
「そうねぇ。」
海がキラキラと輝き…そして、賑やかな町並み。
まだ遠いものの、人々が幸せそうな…平和そうな雰囲気を醸し出しているのがわかる。
『~…』
…こんな景色、紅覇にも見せてあげたいなぁ…。
きっと、紅覇も気に入るはずだ。
ルナの目を見つめて、柔らかく…優しく微笑んで…
『…綺麗だね、って……』
言ってくれる……
「ルナちゃん?」
『…っへ?』
「大丈夫かい?もしかして、船に酔ったか?」
『あっ、ううん!何でもないよっ!!』
心配そうに見つめてくる二人に、ルナは慌てて笑顔をつくった。
『へへっ』
…紅覇のお熱が下がったら…
一緒に見に来よう。
波に指先を浸け、揺れている水面を見つめた。
と、その時。
グラッ
『ぅわあっ!!?』
いきなり、船が大きく揺れた。
「ああっ!!」
「ルナちゃんっ!!!」