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イケメン戦国【秘密の花園】

第7章 秘密の花園/前編




「ご注文お伺いします!」


お茶を出してくれた莉菜さんがオーダーを取る。


「俺、ねぎとろ丼。うどんも一緒のやつな」

「俺は日替わり定食で」

「今日はそうだなー… ざる蕎麦と、いちごぱへ にするか」

「酒だ」

「えーと、ねぎとろ丼とおうどんのセットがおひとつ、日替わりがおひとつ、あと ざる蕎麦と苺パフェと お酒ですね?」


頭で記憶した注文の品を復唱する莉菜さん。


「待て待て待て、"いちごぱへ"って何だよ?聞いたことねー」


幸村が信玄様の注文した苺パフェに引っかかったようだ。


「えっとね、カステイラや白玉団子の上に苺のソース… タレ?をかけてあるの」

「ぱへ は美味いぞー。いちご以外に抹茶味もある。こんな甘味はここでしかお目にかかれない」

「やっぱ甘味か!…ったく」


ふっ、

パフェ(もどき)はきっと、莉菜さんの考案したメニューなんだろうな。

この食堂には500年後の知識が随所に活かされている。

俺の日替わり定食や、幸村が頼んだ丼物と麺類をセットにするって発想もそうだ。

さらにはお子様ランチまである。


「あれ…?謙信様はお食事は召し上がらないんですか?」


酒しか頼まないことを疑問に思ったのか、莉菜さんが躊躇いなく謙信様に話しかけた。


「いらん。酒だけで良い」

「んー… そしたらママに頼んで何かおつまみ作ってもらいますね!」

「酒だけで良いと言ってるだろう。あとは梅干しを寄越せ。それに"まま"とは何だ」

「じゃあ しばらくお待ちください!」

「…………」


莉菜さんはペコリと頭を下げると、厨房へ入って行った。

あの謙信様が振り回されている……

すごい光景だな。


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