第6章 星降る夜に愛を誓う/後編
「うーん、アイタタ……」
突然、莉菜さんが首をさすって顔をしかめる。
「首痛めてない?大丈夫?」
「ずっと上向いてたから ちょっとね。でも大丈夫!」
明るく言いながら莉菜さんはモゾモゾと立ち上がり、今度は腰を伸ばし始めた。
莉菜さんが立ったので、俺も一緒に立ち上がる。
(ん…?)
まずい、二人とも立ってる。
なんとなく、もう帰る雰囲気になっているような。
(タイミング的にこの後 告白するチャンスは来るんだろうか…)
胸の中に、微かな不安と焦りがよぎる。
「佐助くん… 今日は連れて来てくれて本当にありがとう」
まるで最後の締めくくりのような御礼を言う莉菜さん。
「いや、こんなチャンスは滅多にないから… 無理やり連れ出してしまってごめん」
「ううん!夜中に城を抜け出すなんて考えたこともなかったけど、楽しかったよ。ありがとう」
「こちらこそ。君と一緒に流星群を見られて、今日は最高の誕生日になった」
やっぱりいよいよ帰り支度か…ーー
莉菜さんに返事をしつつも、
いつ言おうか、
何て切り出そうか、
流星群が終わってしまった今、ムードを作るにはどうしたらいいんだ、
そんなことを頭の中でグルグルと考えてしまう。
焦るばかりでもうあと一歩が踏み出せない。
(あんなに意気込んでいたのに情けない)
今日はもう諦めるしかないのか…ーーー
と、早くも項垂れかけていると、