第6章 星降る夜に愛を誓う/後編
危なかった、
何をやってるんだ俺は。
今、もう少しでキスしてしまいそうだった。
莉菜さんと目が合った瞬間、身体がひとりでに引き寄せられて。
莉菜さんのクシャミで我に返ったから助かったけど、
本当に危なかった。
ーーー
今日俺は、自分の想いを伝えると決めてる。
ずっと心の奥底に秘めていたこの気持ちを今日こそは…
と、意気込んではいるものの、
まだ莉菜さんの気持ちがわからない以上、力み過ぎて暴走してしまったら告白以前に撃沈だ。
(それだけは絶対に避けなければ)
とにかく、たとえ答えがNOであっても今日を機に友達としてじゃなく男として見てもらえるように……(ぶつぶつ)
「あ!」
決意に燃える俺の視界の端に、ハッとした表情で空を指差す 莉菜さんの姿が入り込む。
「佐助くんっ、今の見た!?」
「え?」
「今、流れ星が……」
「!」
「あっ、また!」
莉菜さんが嬉しそうに声を上げる。
東の方角の高い場所。
そこに位置する一際明るい星、ベガの辺りから次々と光の筋が現れた。
(ついに始まった…!)