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イケメン戦国【秘密の花園】

第6章 星降る夜に愛を誓う/後編




その時ふいに、佐助くんの顔も自分の手元も良く見えることに気が付いた。

街灯も何も無いのに…ーー


「莉菜さん、どうかした?」


佐助くんが私の顔を伺う。


「あ、ごめんね… なんか、夜なのにけっこう明るいなって思って」

「明るい? ああ、それはほら」


佐助くんの右手の人差し指が、頭上を指す。


(上?)


つられて上を向くと、夜空には無数の星が輝いていた。

どこを見ても星、星、星。

まるで宝石を散りばめたかのような……


「わ…!」


あまりの美しさに、感嘆の声が漏れる。


「多分これのせいじゃない?」

「ほ…ほんとだ。私、全然見てなくて…っ」


お菓子ばかりに気を取られていた自分が恥ずかしくなる。


「気にしなくていいよ。本当に見せたいものは まだだから。良かったらもうひとつ食べる?」

「ありがとう」


お言葉に甘えて、ふたつ目のお団子を頂いた。

『まだ』

って、さっきも言ってたよね?

まだ… 何があるんだろう。

気になりながらもお団子を頬張り、お茶を飲む。


ーーー


私が おやつタイムを楽しんでると、横で佐助くんは細長い棒状の何かを取り出し、それを通して空を見上げ始めた。


(佐助くん… 熱心に星を見てる)


食い気ばかりの私なんかより、ずっとロマンチストなんだよね。

きっと星座の名前とかにも詳しいんだろうな。


(あと、全然関係ないけど横顔もすごくかっこいい)


真剣に星を観察する佐助くんをじっと見つめる。

声かけて大丈夫かな?

あまり邪魔はしたくないけど…


「佐助くん、、、それって望遠鏡?」

「ん?」


遠慮がちに話しかけてみると、すぐにこちらを向いて応えてくれた。


「ああ、一応。簡単なものだけど。覗いてみる?」

「いいの!?」


望遠鏡を借りて空を見る。

遠くにあるはずの星がすぐ近くに感じて、手を伸ばせば掴めそうだった。


「綺麗…!すごく近くに見える!」

「元いた時代の望遠鏡ほど高性能じゃないけど、肉眼で見るよりはマシかな」

「マシどころかすご過ぎるっ」

「くす、ゆっくり見てていいよ」


………

………


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