第1章 臆病な恋心
そっか、
そんなことを気にしてくれてたんだ…
(佐助くん、大丈夫だよ)
(無理なんてしてない)
どんなにマニアックな話でも、隣でずっと聞いていたい。
だって私…
私… 佐助くんのことが……っ
………
……
…
って、言えたらなぁ。
言いたいけど、言えない…
佐助くんからの返事を聞くのが、どうしても怖くて。
(ただの現代人仲間としか思われていないのは、わかってる…ーーー)
「………」
佐助くんはそれ以上は何も聞いて来ず、沈黙が訪れた。
(うー、なんか泣きそうだ)
下を向いてお団子をかじり、目に浮かんだ涙を隠す。
そのまま黙々と食べ進め、三色団子のヨモギ味に差し掛かった時、
「そうだ、忘れないうちに…」
佐助くんが懐から、まきびしじゃない何かを出す気配がした。