第4章 男子会・春日山城城下の大衆食堂に於いて
佐助……
行っちまったか………
「あ、あのぅ〜……」
「あ…?」
後ろから弱々しい声がして振り返ると
食堂の店主が怯えきった様子で立ちすくんでいた。
「で、できましたら、その、喧嘩は、み、店の外で……」
…っ!
ーーー
店主に店内で騒いだことをきちんと謝罪してから三人で店を後にした。
そして、食堂から出てすぐのところで俺は信玄様と謙信様に詰め寄った。
「信玄様、謙信様、しょーーーじきに言って下さい」
「なんだい、幸」
「なんだい じゃねー!何なんだよ、さっきのは!」
「気づいたか。お前の部下は なかなか聡いな、信玄」
「なーに、お前の部下も、主君に向かって良い啖呵を切るじゃねえか、謙信」
〜〜〜っ
「そーゆーの要らねーから!どーゆー事かさっさと説明してくれっ」