第4章 男子会・春日山城城下の大衆食堂に於いて
「そうそう言い忘れたんだが」
ひとつ目の大福を飲み込んだ後、信玄様が再び口を開いた。
待て待て まだ何か爆弾抱えてんのか!?
く…!
佐助にはもう気力が残ってねえ。
仕方ねー、ここは俺が………!
「彼女との一連のやり取りで気付いたことがある」
「あー、海老天すっげえ うめーーー!」
「俺の予想では、」
「しかも二尾も入ってたしなーーー!」
「あの子はおそらく、」
「あー!あー!あー!」
「おそらく、何だ」
信玄様を阻止しようと無理やり大声で口を挟むが、横からまた謙信様が入ってきて遮られる。
くそっ、なんでさっきから やたら絶妙な頃合いで入って来んだよ!!
あー、なんかすげえ嫌な予感がする…!
佐助、聞くな!
耳塞げ!!
聞くんじゃねーーー……
「生娘、だな」
!!
「ぶはっっっ」
………
………
………
嫌な予感はこれか……
やってくれたな、佐助……
俺は飯粒と鯖にまみれていた。