第4章 男子会・春日山城城下の大衆食堂に於いて
「くっせぇ…」
「幸村…本当にすまない」
「大丈夫か、佐助に幸。店主、もう一度手拭いを貸してもらえるか?」
「はいよ〜」
大丈夫かじゃねーよ、ったく…
拭いても拭いても魚臭さが取れねー
どっかの井戸で顔洗うか……
「ま、生娘ってのはあくまで俺の予想だがな。しかし頬に口付けを頼んだだけで あの照れようはあまりに……」
また始まった。
俺がこんな目に合ってるっつーのに。
もういい、
勝手に喋ってろよ……
「あー、あんな子が幸の相手ならなー」
………
………は?
何言ってんだ………?
急に自分に話を振られ、目を見開く。
「明るくて優しくて純粋で。容姿も申し分ない。幸の相手なら言うことないんだがなー」
俺?
なんで………?
「………………(ジー)」
っ!!
俺を睨むな佐助、
俺は関係ねえ、
俺はお前を応援……
「お前には ああいう女性と身を固めて欲しい、この親心がわかるか?」
やめろ、やめろって!
「よし、今度安土に行った際、彼女をお前に紹介しよう」
はぁっ!?
「ばっ…… 俺はいらねーよ!あんなキャーキャーうるせえ女、好みじゃねー!あ、あんな… なんか知らねーけどコケシみてーな髪型した女なん、か」
はっ…
しまっ………