第4章 男子会・春日山城城下の大衆食堂に於いて
(バキィッ!)
「っ!!」
海老天にかぶり付いた状態で音のした方に目をやると、
佐助の手の中の割り箸が、真ん中あたりでぽっきりと折れていた。
「すみません、つい力を入れ過ぎてしまって」
「気にするな佐助。店主、悪いが割り箸をもう一膳もらえないだろうか」
「はいよ〜」
「ありがとうございます…」
………
佐助… かなりキテるな。
男に絡まれた話は初耳だったのか……
でも悪いが、お前のためにも俺はこれ以上信玄様の話には乗っからねえ。
無視だ無視。
無視無視無視無視…
「あの、信玄様。その子に何か被害は…」
って!
お前自身が話広げてどうする!
あー… まぁ、話の内容が内容なだけに仕方ねーか。
どうなったか気になるよな……
「幸いにも何も被害は無かったよ。食事か何かにしつこく誘われてたみたいだったが、そこへ俺が通りかかり男は丁重に追い払ってやったからな」
「そう、ですか…」
良かったな佐助。
これで何かあった日には この場で発狂もんだろ。