第4章 男子会・春日山城城下の大衆食堂に於いて
あ〜…酷え目に合った……
けど。
今のでわかったぞ。
莉菜って名を聞いてピンと来たが、
莉菜は佐助の同郷の女…
つまり佐助の想い人じゃねーか!
食堂で働いてるとか前に言ってたな、そういや。
なるほどな、
それで信玄様の話にいちいち反応してたってわけか。
信玄様に目ぇ付けられてると知ったら、そりゃ動揺もするわ…
佐助に同情してるところへ注文した料理が運ばれて来た。
「はい、お待ちどう!天丼大盛り、鯖の味噌煮、あと大福と梅干しね」
「大福はここなー」
「梅干しは此方へ置け」
「はいよ〜」
おい… 梅干しはいつの間に追加注文してたんだ。
信玄様もけっきょく大福しか頼んでねーし。
大の男が食堂に来てそれしか食わねーってどう考えてもおかしいだろ。
色々突っ込みたくてウズウズするが
どうせ適当にかわされるだけだろうから自分の天丼を熱いうちに食うことにする。
「頂きます」
「いただきます……」
佐助も静かに手を合わせて、鯖を食い始めてる。
大丈夫……みてーだな。
咀嚼してる最中にも佐助の様子を伺う。
すると…ーーー