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イケメン戦国【秘密の花園】

第3章 手と手を繋いで/視点違い




「佐助くん… もしかしてだけど… 何かあった……?」

「…え?」


迷った末、私は思い切って口を開いた。


「なんだかいつもより元気がないみたい。疲れてる?」

「…そう?」

「うん、なんて言うか、すごく辛そうな…」

「そんなことない。少し仕事をしてきた後だからかも」


仕事って…

キツいお仕事だったのかな。

それとも戦があったとか?

佐助くんは否定しているけれど、

今日の佐助くん、最初からずっとピリピリしていて。

纏ってる空気が違うっていうか。

もし何かに悩んでたり苦しんだりしてるなら、ちょっとでも力になれたら……


「ちなみに莉菜さん… 俺の顔って、見えてる?」


顔?

顔は真っ暗なせいでほとんど見えてない。

そう言えば行燈に火を入れるタイミング逃しちゃったな。


「ううん 見えない。ぼんやりと輪郭が見えるくらい」

「…だよな」


せめて灯りがあれば。

表情がわからない分、余計に心配になる。

あまり詮索すると嫌がられるかな?

正直、どこまで聞いていいのかわからない。

忍のお仕事って具体的に何をするのか私は知らないし、人に言いたくないこともあるかもしれない。

だけど…


「佐助くん、お仕事って…戦だったの?」


もし戦があったんだったら色々と納得がいく。

嫌なら答えてくれなくてもいい、そんな気持ちで質問をしてみた。


「ごめん…… 汗臭かった?変な臭いする?」


…!

違う、


「臭いなんてしないよ」


違うの、

臭いとかじゃなくて

普段より声が低かったり、会話の"間"の取り方だったり、言葉の端々にだったり、

些細なことに引っかかってしまって。

やっぱり戦だったんだね…

自分が気になるからって、追求してごめん……


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