第2章 手と手を繋いで
「こうすると、ちょっと安心しない…?この間、私も佐助くんにしてもらった時すごく安心したんだ」
「………」
「つらい時は隠さなくて大丈夫……」
「…っ」
君は何でもお見通しなのか。
弱い部分を見透かされたようで、恥ずかしいやら情けないやら複雑な気持ちだ。
と同時に、この上ない心地良さも感じる。
「大丈夫だからね……」
莉菜さんの声と手の温もりが、徐々に俺を溶かしていく。
俺は今まで、自分が君を守ることばかり考えていたけど
俺の方も とっくに君に守られてたのかもしれないな。
「っ、ありがとう…………」
恥ずかしながら、少し泣いてしまった。
莉菜さん。
もう隠しておけない。
この気持ちを、近々必ず君に伝える。
俺は君を…ーーー
君を、あ………
(すー…)
…え?
(すー…)
……莉菜さん?
(すー…)
………………寝てる。
半分以上目を閉じた状態で、莉菜さんが前後にグラグラと揺れていた。