第9章 真夏の個人授業〜教え子の甘い誘惑〜/R18
足音が遠のき、天井裏に一人残される。
「………はぁ」
結果的に莉菜さんに守られてしまった。
何とも言えない複雑な気持ちで大きく溜息をつく。
情けなくて、
申し訳なくて、
とても切ない。
そしてさらに、光秀さんに対して嫉妬もしている。
恋人という立場でありながら、莉菜さんは自分のものだと言い張ることが出来ない俺は無様でしかない。
早く手を打たないと…
このままじゃ光秀さんだけじゃなく他の武将の誰かに莉菜さんを奪われることだって……
「…………」
残念だけど、今日はこのまま大人しく帰ろう。
ごめん莉菜さん。
茶柱効果は いまひとつ無かったみたいだ……
俺は生乾きの着物を纏うと、逃げるように安土城を後にした。