第9章 真夏の個人授業〜教え子の甘い誘惑〜/R18
「ほう?これを読んでいたのか」
光秀さんは部屋から出て行くどころか莉菜さんの前に胡座をかいてドッカと座る。
そしてペラペラと本をめくり、薄笑いを浮かべた。
「そうなんです、すっごく面白くて!読み出したら止まらないの!」
ああ… 莉菜さん。
「成る程。今日は随分 物欲しそうな顔をしていると思ったらそういう訳か…」
「え?」
光秀さんはそう言うと、莉菜さんの顎に指を引っ掛けクイと持ち上げる。
待ってくれ光秀さん、
まさか…
いや、いつもの冗談に違いない。
揶揄って遊んでるだけだ……
気が気じゃなくなってきた俺を他所に、光秀さんは話を続ける。
「頬は上気し、瞳も微かに充血して潤みを帯びている。男を煽るには充分… と言ったところか」
「そんなことないですよ、何を言ってるんですか!それにそれとこの本と どういう関係が……!」
「惚けなくていい。先程までこれを読みながら自らを慰めていたんだろう?違うか?」
「!」
く……っ
汗が顎からポタポタと滴り天井板を濡らす。
冗談なのか本気なのか、光秀さんの真意がわからない。
「そ… んな事、してません」
「嘘をつけ。部屋に入った瞬間から、只ならぬ雰囲気は感じていた」
「……っ」
「無垢なのかと思いきや まさか寂しさを持て余していたとはな… 相手が欲しいならいつでもなってやるぞ。お前を悦ばせるくらい、至極簡単なことだ」
「な… 何を仰ってるのか全然意味わかんないんですけど…」
「なら今わからせてやる。目を閉じろ 莉菜」