第9章 真夏の個人授業〜教え子の甘い誘惑〜/R18
「で、でも今すぐは ちょっと…… 後で必ず行きますから、光秀さんは先に戻ってて下さい!」
莉菜さんが光秀さんを何とか一旦 部屋から追い出そうと奮闘するも、
「何故だ。信長様の命を後回しにするほどの大それた理由があるのなら聞いてやらないこともないが… こんな雨の日に、他に優先すべき用など無いだろう?」
「…っ」
駄目だ、逆に不審がられてしまった。
「り、理由は… えーと」
(頑張れ 莉菜さん…!)
天井板の出っ張りをギリ、と掴む。
その時…ーーー
「ん?これは…?」
莉菜さんの返答を待っていた光秀さんが、文机の上にあった本に目を止める。
…!
さっき莉菜さんが音読していた本だ。
気付かれた。
莉菜さんは あの本が官能小説とは知らないから、もしかして もしかすると…!
「あっ、そうそう!さっきまでその本を読んでいて… 今ちょうど良いところだから、キリの良いところまで読み終わったらすぐに行きますっ!」
…っ、やっぱりこうなってしまった。
さっき、はぐらかさずにちゃんと本の内容を説明しておくべきだった。