第9章 真夏の個人授業〜教え子の甘い誘惑〜/R18
変体仮名はひとつの音に対し、3個から10個ほどの漢字が元になっている。
例えば
「あ」を表すのは「安」「阿」「愛」、
「か」を表すのは「加」「可」「閑」、
などなど。
まず先に、使用頻度の高い文字から覚えてもらおう。
俺は数十種類の変体仮名をサラサラと紙に書き出した。
「莉菜さん、よく使う変体仮名の表を作ってみたから、この表にある文字を真似して順番に書いてみて」
「うん、わかった!」
俺が作った表を目の前に置き、それを手本に別の紙に写してもらう。
どんな暗記物にも言えることだけど、何かを覚えるときには とにかく繰り返し書くことが大切だ。
地味な作業だけど、記憶力に自信が無い場合は やっぱりこれが一番頭に入る。
「あ…… い…… う…… え……」
小さく呟きながら慣れない細筆で懸命に文字を書く莉菜さん。
その様子を温かく見守る。
「さ…… し…… す……………」
さっきから口元がずっとゴニョゴニョ動いてる。
ほんのり紅を引いているせいか唇はプルンと潤っていて…