第8章 秘密の花園/後編
「で、できたぁ!!」
やっと完成した頃には日も暮れかけていた。
「素敵な巾着が出来上がりましたね!お疲れ様でした」
「ありがとう!お晴ちゃんのお陰だよ」
少し形はイビツだけど、なんとか巾着には見える。
「最後に頑張って刺繍を入れて良かったですね」
「うん……!」
そうそう、
無地だと少し寂しいからと、お晴ちゃんが刺繍を入れたらどうかと提案してくれて……
手取り足取り教えてもらい、小さなマキビシ柄を刺繍したのだった。
「佐助様、きっと喜んでくださいますよ」
「だといいなぁ。でもやっぱりお晴ちゃんはさすがだね、完成度が全然違う!」
お晴ちゃんの手にある青い生地に三日月の刺繍が施された巾着は、サクッと作ったとは思えないほど綺麗な仕上がりで。
見本と言えど、細部まで丁寧に作られていた。
でも。
その巾着を見て、素朴な疑問が浮かぶ。
「…ねぇ お晴ちゃん、その巾着ってさ………」
話しかけたその時。