第7章 秘密の花園/前編
「あっちへ行ったぞ!」
「その忍を追え!!」
岩の中と外にいた野盗全員が俺を追いかけて来る。
「こっちこっちー」
わざと煽るような言葉を発して、出来る限り自分の方へ引きつけながら走った。
「くそ!すばしっこい奴め!!」
「待ちやがれ!!」
(ザザザザザザ……)
………
そろそろか……
射程圏内にほぼ全員を捉えたところで懐から煙玉を出し、地面に叩きつけた。
(ボン!もわもわもわ…)
「おわ!何だぁーーー!?」
煙玉が破裂して煙幕が発生すると、視界を奪われた野盗たちの動きが鈍くなる。
(ドスッ)
「ぐは!」
「ウッ!」
その隙に、次々と手刀打ちを食らわせて地面に転がして行った。
13、14…
あと二人……
「ヒィ、逃げろ!」
「助けてくれ!」
煙幕の影響をあまり受けなかった野盗が二人、仲間を置いて逃げようとしている。
でもそうはさせない。
その足元を狙い、手裏剣を投げつける。
「痛ェーーー!」
「足に何か刺さりやがった!」
手裏剣は見事に命中して、残りの二人の動きも封じることに成功した。