第7章 秘密の花園/前編
「忍者ますたあ?…ちっ!ワケのわからねぇ事を…… だがいくら腕の立つ忍だろうが今回は相手が悪かったな。ナメてるとどうなるか、たっぷり教えてやる!」
短刀を抜いた頭領が、真正面から向かってきた。
「ククク、腹がガラ空きだぞ小僧め!」
腹を刺されそうになる直前、グッと手に力を入れ左右の刀を押し返し、子分二人を跳ね飛ばして尻餅をつかせる。
そしてすかさず その場でバク宙。
ひっくり返る際に、頭領のアゴに蹴りをかました。
(ボゴォッ)
「ぐうっ!?」
「よし、入った」
(………ズゥゥン)
アゴの骨が折れるイヤな音がした後、頭領は仰向けにゆっくり倒れて気絶した。
一発KO勝ちだ。
「お、お頭ーーー!?」
「しっかりして下せぇーーー!」
泡を吹いて倒れている頭領に、子分達がすがりつく。
「小僧、やりやがったな!」
「殺っちまえ!!」
予想通り、怒りを露わにして残りの野盗が向かって来る。
この空間では これ以上やり合いたなくない。
そう思った俺は地面を蹴り、岩の上に飛び乗った。
「と、跳んだぁ!?」
「嘘だろ!?」
口々に驚きの声をあげる野盗たちに対し、
「忍者マスターですから」
眼鏡のブリッジを指でクイと上げながら格好を付けてみる。
そして森の方へと降り立った。