第7章 秘密の花園/前編
さてどうしようか…ーー
気配からすると、岩の外にも数人いる。
14、15、16…… 全部で16人か。
逃げるのは簡単だ。
でも逃げてしまったら、この集団を野放しにすることになる。
野放しにすると またこの近隣で悪さをするかもしれない。
ここは安土に近いし、莉菜さんにもしものことがあったりしたら…
あんまり気は進まないけど、やるしかないか……
俺は一回ふぅと息をついてから、唐突に言い放った。
「どうせ金目のものを渡しても、そのあとで俺を殺そうとしますよね?」
「……は?」
野盗たちはポカンとしている。
「でも、もしあなた達が束になってかかって来ても俺のことは殺せない」
「?何故だ」
「俺、こう見えて結構強いんです」
「…プッ!ハッハッハッ」
先頭の男… 頭領が笑い出すと、そこに居た野盗たちが一斉に笑い出した。
「ははは」
俺もつられて一緒に笑う。