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混合短編集

第8章 【刀剣乱舞✕色々】チートな幼女の過去話


「迦具月宮(かぐつきのみや)家とは数ある宮家の頂点。
天皇家とは最も近しい姻族であり、唯一天皇家に並ぶ権力を持つ宮家なのです。

天皇家との違いは祖とする神です。
天皇家は太陽神 天照大御神を祖としていますが、迦具月宮家は天照大御神の弟君にあたる月神 月詠命を祖としています。

この時点で天皇家と迦具月宮家は兄弟関係にある、と宣言しているようなものですね。

天皇家は世継ぎを長子たる男児と決めています。
しかし、当家は当主となる者に長子であること以外、つまり性を問いません。

ええ。
月読命が男神であったにもかかわらず、です。

月読命を祖としていようとも、平穏と断言出来ぬ時代を生き残っていくための知恵としてこのような策がとられたのでしょう。
男でも女でも跡目として、家を存続させていくために。


但し、呼称が違います。
男児が当主となるならば、祖に倣って“月読命(つくよみのみこと)”。
女児が当主となるならば、竹取物語より“赫映御前(かぐやごぜん)”。

月神を祀っているので、それにまつわる名を冠名としています。

嗚呼、ちなみに家紋にも月が入っていますよ。ほら。」


そう言って女が見せてきた紙には、三日月と月を支えるように交差し生える若竹の家紋が大きく描かれた。

それはまるで竹取物語を象徴するような。
美しい家紋。
初めて見るであろう自分の家紋に、表情こそ変わりはしないが嬉しそうにご覧になる御前。


そういう事だったのか。
何故“赫映(かぐや)御前”や“赫映姫”と呼ばれていたのか、今ようやく分かった。

まさか、御前の母方の一族が迦具月宮(かぐつきのみや)家だったとは。
それならば納得がいく。
人馬たちからそう呼ばれていたのにも。



これで御前のお母上のことは分かった。
ではお父上は?

伝わらないと思ってはいたが、じぃと女の顔を見た。
が、女はまるで伝わったかのように話し出す。


「そして貴女様のお父様は異国の上流階級の貴族です」

(は?)

御前のお父上は異国の者...?

確かに御前の顔(かんばせ)は平坦ではなく、彫りが深めだ。
瞳の色も常闇の黒ではなく、角度によっては青銀に見えなくもない灰色。
これらは純粋な日本人ならば有り得ない。
先天性色素欠乏症(※アルビノ)ならその場合もあるが。
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