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混合短編集

第5章 【ワンピース✕東京喰種】ドジな俺と異世界人


涙が出るほど面白かったのか。そうか。
ミチコに至ってはまだ笑ってる。
そんなミチコを尻目にツカサはあー笑った、と一息ついて続きを話し出した。

「恐らく、いやほぼ確実に、この世界に喰種(グール)は僕一人。とはいえ、似たような特徴を持つ人間がいたっておかしくはない。
覚えておいて損はないからね。分かりやすい喰種の特徴を教えておくよ。」

ばきき、と音が聞こえた。どうやら音源は彼女の目で。普通の人間らしい目をまた、人外に、赤黒く染め上げる。
この様子だと長くなるようだから心して聞くことにしよう。頭パンクしたらどうしよ。
額に汗が伝った。

俺の不安なんてそっちのけで、頑張って詰め込んでね、と笑むツカサは腕を組んだ。

「喰種(グール)の最もたる特徴はこの赫眼(かくがん)さ。赫眼とは喰種が能力を使う時に、赤黒く変化させた目のこと。発現させると目尻に血管やヒビが浮き出る。
僕の場合はヒビだね」

確かにヒビらしきものが目尻にいくつか走っている。
いや、血管に見えなくもない、か?
というか痛くないのか?皮膚にヒビって...。
俺の密かなテレパシーが通じたようで、ツカサは大丈夫だよと微笑んだ。
痛くないならまあ、いいのか...?

続けていいかい?と問われ、慌てて首を縦に振った。
まだ序盤、のはず。
既に理解出来てなくてパンクしそうなんだけど...。

「基本的にはこの赫眼(かくがん)を覚えておいてくれさえすれば大丈夫だよ。しいて言うなら、赫子(かぐね)も覚えておいて欲しいかな。
これを操れるのは喰種(グール)だけだからね」

バキキ、とまるで骨が折れるかのような音がしたかと思えば、ツカサの腰辺りから生える血色の触手。
一本や二本じゃない。
左右に四本ずつ、ゆらゆらと揺蕩い色々な形をしている。

「喰種(グール)であるなら誰もが持つ、この赫子(かぐね)。
赫子とは喰種の身体より発生する捕食器官のこと。嗚呼、武器だと思ってくれて構わないよ。
実際そっちがメインだしね。

...あとの詳しいことは追々説明することにしようか。
一度に言っても覚えきれなさそうだし」

良かった。
ツカサに気づかれないように小さく溜め息を吐く。が、こっそり安堵したのがバレていたらしく、くすくすと笑われた。
さっきから俺、笑われすぎじゃないか?
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