第5章 【ワンピース✕東京喰種】ドジな俺と異世界人
年下であるツカサに微笑ましげに笑われると、悔しいよりも恥ずかしさが際立った。
じわじわと赤くなる顔を誤魔化すように、ツカサを睨んでみるけど効果無し。
むしろ余計に笑われている気がする。
いっそ少し離れた所で傍観しているミチコのように、盛大に笑ってくれたら割り切れるというのに。
「何で考えていることが分かったかって?
ふふ、顔に書いてあるよ。
ちなみに僕がドラゴンみたいな姿になれるのは赫子(かぐね)のおかげなんだよ。
どう?赫子って面白いだろう?
ここまで一応簡単に説明したけど大丈夫かい?
ちゃんと理解出来てる?」
ツカサが心配そうに俺の顔を覗き込んでくるが、今はその言葉すら頭に入ってこない。
向こうからしたら簡単に簡潔に説明してくれたのかもしれないが、脳みそがオーバーヒートを起こしたかのように頭から湯気が出ている気がしてきた。
えーここまでの説明をまとめると、ツカサは喰種(グール)。喰種とは人喰い鬼で。人間相手だと最強。
その、喰種の特徴は赤黒い目、赫眼(かくがん)と、血色の赫子(かぐね)。
えーと、えーと。あとなんだっけ?
...。
これでいいのか。
なるほど、?
分かったような、分からないような?
...とにかく、俺はとんでもない少女と女に助けられたらしい。
後にツカサのハチャメチャな行動に片っ端から巻き込まれ、片っ端からドジるなんて。
ミチコの、三下とはいえ海賊相手にとんでもなく高額の手術費用をふんだくるその姿勢に冷や汗をかくことになるなんて。
そして、しばらくあとにあの時逃がしたローが無事だったことを知るなんて。
数年後、ローと再会できるなんて。
この時の俺は想像しちゃいなかった。
END