第1章 嫉妬はスパイス(縁下力/シンデレラ)
席替えが済んで、仕切り直しの乾杯。
力さん本人が居るからなのか、さっきみたいな下品な話題は出ていない。
だけど、席替えをしたにも関わらず…。
「そういや、お前等ってどうして、そうなったんだよ?」
「あ、それ、俺も気になんだけど!もしかして、シンデレラの頃からホントは付き合ってたとか…。」
この酔っ払い達は私に絡んでくる。
「なぁなぁ、いっつも家デートだとつまんなくね?」
「マンネリ化して、刺激欲しくなったら俺んトコ来いよ、な?」
相手にしたくないから、答えないようにしていても、別の話を振られて。
1時間くらいした頃には疲れ果ててしまった。
しかも、アルコールが入っているから若干眠くもなってくる。
「縁下、もう眠そうだから連れて帰ってやれ。」
「えー!もう帰んのかよ?」
「眠いなら、ココで寝ちまえよ。どうせ、家は隣だろ?」
私の状態に気付いた澤村さんが助け船を出してくれたけど、2人からブーイングの嵐。
「木兎さん、そろそろ俺達も帰りましょう。澤村さんにも、迷惑ですよ。」
「社長、いい加減にしろ。オフの日までアンタの相手はしてられない。」
その、子どもみたいな我儘に、まず京治くんが立ち上がって光太郎を引っ張り。
力さんが、社長に向かってキレた。
これで、飲み会はお開きとなり、家に帰る事が出来た。