第5章 マリッジブルー(縁下力/シンデレラ)
余韻に浸る間も無く、身体から去っていく熱。
続くようにトロりとした液体が零れる感触。
少し気持ち悪くて、慌ててソコを拭いた。
それが、力さんの罪悪感を煽ってしまったみたいで、頭を下げられる。
「…ごめんな。式の前に出来たら、大変な思いするのはりこなのに。今日はどうしても、止まらなかった。」
「準備の段階で精神的な大変さは色々味わったから、今更肉体的な大変さが加わっても大差ないよ。」
「それも、ごめん。」
「分かってるなら、これからはちゃんと一緒にやっていこうね?2人の結婚式なんだから。」
「分かってるよ。」
「じゃ、許すから、もう謝らないでいいよ。」
本当に罪悪感いっぱいの顔。
でも、ただで許してやる気にはならない。
途中で流されちゃった私も悪いけど、確かに式の前に妊娠したら辛いのは私だ。
事後に険悪な雰囲気にはなりたくなくて、軽い口調で条件を付ける。
機嫌が治った通常モードの優しい力さんは、すんなり受け入れてくれた。
私達の間にあった問題は片付いて、これからは甘い生活を送りながら準備を進められる。
私の夢が叶うのだと、確信出来た夜でした。