第5章 マリッジブルー(縁下力/シンデレラ)

促されるまま寝室に入ってベッドに横たわる。
すぐに覆い被さってきた力さんに唇を塞がれて、また呼吸が出来なくなった。

酸欠で頭がクラクラしてきた頃、解放されたけど。

「りこは、キスの時の息継ぎ下手だけど、ちょっと苦しいくらいの方が好きだから、良いんだよな？」

確認めいた声が聞こえて、再度唇が奪われる。
私の思考も奪われる。
快楽に流されるように、自分から求めて、舌を絡め返した。

驚いたみたいで、一瞬だけ動きが止まった気はしたけど、唇は離さず。
行為を進めるようにシャツの中に手が入ってくる。
背筋を撫でながら上がってきた手がブラのホックを外して、前に回った。

手のひらに収まるサイズの膨らみが柔らかく揉まれて、時折指先で頂点を転がされる。

「…ふっ、あっ！」

ピリピリと身体を走る電気のような刺激に背が反って、反動で離れた唇から甘い声が漏れた。

「もしかして、いつもより感じてる？」
「だ、って…。久々、だか、らぁっ！」

ちょっと意地の悪い声が落ちてくる。
その間も刺激は止まず、言い訳する声にも喘ぎが混ざった。

生理的な涙が浮かんで滲む視界で、力さんの顔が笑ったと思ったら刺激が止んで。

「久し振りだと、感じやすくなるのか？…なら、こっち触ったら、どうなるんだろうな？」

胸から離れた手が、滑るように下へ向かう。
捲られたスカート、晒された下着の中に入ってきた指先が茂みの隙間をなぞった。