第5章 マリッジブルー(縁下力/シンデレラ)
何度も隙間を往復する指が、たまに敏感な芽に触れる。
その度に身体が反応して腰が跳ねた。
「ね、ソコ…もっ、と…さわって?」
軽く通り過ぎる程度でしか与えて貰えない刺激。
焦れったくて、ねだるように腰を揺らす。
「そこって、どこ?」
見上げた顔はにこやかに笑っているけど、望みを叶えてはくれず、指の動きが止まった。
「意地悪…あっ!」
不満を口から漏らすと、硬くなっている芽を摘まれて、悲鳴のような声が出る。
「俺、機嫌悪いんだよ。本当にキャンセルの電話、入れてるとは思って無かったから。」
「なんで、知って…んっ!」
「さっきの反応、見てたら分かるから。」
「ご、めっ…あっ!あぁっ!」
キスの時から、優しくないから変だとは思っていた。
理由が分かったから謝ろうとしたのに、その言葉はちゃんと繋げる事は無く。
ただでさえ敏感な部分を転がされて、簡単に絶頂へと導かれた。
余韻で小刻みに震え、力の抜け切った身体から服が脱がされる。
ベッドの下に落とされた私の服に視線を向けると、それに力さんの服が重なっていく。
「りこ、どこを見てるんだ?」
声が聞こえて視線を戻すと、裸の力さんが私の足の間で膝を付いていた。