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【HQ】脳内妄想‐シンデレラ・単発‐【R18】

第5章 マリッジブルー(縁下力/シンデレラ)


「力ちゃんの本心、知りたいべ?」

居酒屋の喧騒の中では、隣の席には届かないだろう社長の小さな声。
これ以上の本心、何を聞かせてくれるつもりなんだろう。
分からないけど、悪い事では無い気がしたから頷いた。

「あぁ、式の準備も大変らしいからね。それで、シンデレラちゃんキレちゃって、式は挙げないっ!とか言い出した?」
「まぁ、そんな所です。俺も意地になって止めなかったんですよね。」
「両方が意地になっちゃったら、行き着く先は別れだよ。それで良い訳?」
「良くないですね。俺は、彼女と生きていきたい。」

やっぱり、悪い事じゃなかった。
泣きそうなくらい嬉しくて、声を掛けたかったけど、社長に首を振られる。

まだ、何かあるのかと思ったら…。

「…じゃ、後ろ向いて、もう一回言ってみて。」
「後ろ?…りこ!と、社長!なんで、ここに…。
もしかして、今の全部…。」
「聞いてたぜー。彼女と生きていきたい、なんて、カッコイーじゃねーの。」

力さんをからかう為に、向こうから気付かせたかっただけみたいだ。

相変わらず、社長は質が悪い。
でも、このノリで生きている所が、彼の良い所でもある訳で。

「よっし!力ちゃん、明日オフな!大熊りこも、明日は休め!」

勝手に私の休日まで設定し、店から私達を追い出した。
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