• テキストサイズ

【HQ】脳内妄想‐シンデレラ・単発‐【R18】

第5章 マリッジブルー(縁下力/シンデレラ)


今日も今日とて、1人でプランナーさんと打ち合わせ。
2人の式だから、自分だけで全てを決定するのは嫌で、毎度の如く資料はお持ち帰り。

だけど、やっぱり今日も、力さんは帰ってこなかった。

いい加減、ちゃんと相談に乗って欲しくて、どんなに遅くなろうが待ってようと起きている。

力さんが帰ったのは、深夜2時も過ぎた頃。

「起きてたの?」
「うん。少しくらい、ちゃんと式の話したくて。」
「ごめん。疲れてるから。オフの日にしてくれる?」

待っていた私の気持ちを汲んでくれる事は無く、会話はこれで終了。
シャワーを浴びている間も、まだ起きて待っていたのに、寝室に直行して眠ってしまった。

「ちょっと、力さん!少しくらい話聞いて!」

すぐに寝室まで追い掛けて、起こすように体を揺すったけど。

「うるさい。オフの日に聞くって言ってるだろ?」

これだけ言って、布団の中に頭を突っ込んでしまう。

何かが、頭の中で音を立てて切れた。

「誰の為の結婚式よ!力さんの仕事上、仕方無く私が付き合ってあげてんのに!」

勢いよく布団を引き剥がして、怒鳴り付ける。
こちらを向いた顔の眼は、明らかに怒っていて。

「そんな恩着せがましい言い方するなら、式なんてやらなくていいよな?明日、社長には断り入れてくるから。」

低い声が、淡々と寝室の中で響いていた。

完全に怒らせてしまったのは分かっている。
だけど、こればっかりは私が折れる訳にはいかない。
仕事を理由にすれば、何だって協力しなくていい事になってしまう。

意地になって、今まで溜め込んできた資料やら見積もりやら、全てを破いてゴミ袋に纏めておいた。
/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp