第4章 責任感(田中龍之介/単発)
気まずい沈黙。
龍は意外に優しいところがあるから、人の嫌がる事を無理矢理したりはしない。
仲間内限定だけど。
だから、多分、このまま沈黙が続いたら止めてしまう。
私が何か言わないと。
その時、目に入ったのはコンドーさんで。
小さな四角いパッケージを掴んで差し出す。
「…これ、使ってみよっか?」
私に出来るのは、これくらい。
「お…おぅ。そうだな…。」
意味は伝わってくれて、ぎこちない動きでズボンを下着ごと脱いでいた。
中から現れたのは、存在を主張している龍の自身で、お腹に付きそうなくらい上を向いている。
初めて見るソコに目を離せない私の手からコンドーさんが奪われて、慣れない手付きで薄い膜が装着された。
龍が、私の足の間に膝を付いて中心部の隙間に自身の先端を擦り付ける。
身体への入り口に当てられた熱に、この先与えられる快楽を想像して、求めるように腰を上げた。
狭い場所を、少しずつ押し広げながら奥へと入ってくる熱。
思ったより、気持ちいいとか感じない。
寧ろ、圧迫感が気持ち悪いくらいだ。
「…だ、大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ。」
それでも、気を遣ってくれているのが嬉しくて、両腕を伸ばして抱き締めた。
「…んっ、あぁっ!」
身体が密着すると、最深部に熱の先端が押し付けられて、お腹の奥から電気が走る。
口から甘い声が漏れて、これが快感なのだと知った。
その声が、龍の理性を吹き飛ばしてしまったようで。
慣らすように止まっていた熱がナカを擦り始めた。
「あぁっ!んっ!」
快感を知っている身体は若干の痛みよりも、そっちに反応して意思とは関係なく声を溢れさせる。
肌と肌が当たる乾いた音が聞こえてくる程の激しさに、気持ち良すぎて声を抑える事が出来なかった。