第4章 責任感(田中龍之介/単発)
反応を示して顔を上げた龍と目が合う。
「あ、えっと。アメでも食べる?ほら、甘いものって脳を働かせるって…。」
何を言おうか考えても無かったから、とって付けたような事を喋ってポケットを漁った。
中に入れていたアメ玉を取り出した時、一緒に出てきたのは…。
勿論、アレです。
友達からプレゼントされた、コンドーさん。
慌てて手で隠したけど、ばっちり見られてたようで。
顔を真っ赤にした龍が、その手を握った。
「い、イインデスカ?」
何故か片言で許可を求めてくる。
意味は分かったし。
興味もあったし。
数ヶ月間、何もされてないのは淋しいと感じていたし。
しっかりと、頷いて答えた。
龍も緊張はしてるみたいで、お互いに変な動きをしながらベッドに上がる。
向き合って座ると、肩を掴まれて顔が近付いた。
最初は、触れ合うだけの唇。
よく例えられるけど、マシュマロみたいに柔らかい。
それが、啄むように唇を挟んでくるから薄く開いた。
その隙間に捩じ込まれるのは、熱くて滑りのある舌。
私の舌を絡め取って、口腔内に水音が響く。
頭がぼーっとして、無駄な力が抜けて。
唇を重ねたまま、ベッドの中に沈んだ。