第4章 責任感(田中龍之介/単発)
以来、変わった事といえば…。
付き合ってるなら名前呼び!を主張する田中改め、龍の希望により、登下校とお昼休みを共にするようになった。
それが、数ヶ月続く健全なお付き合い進行中である。
友達には最初こそ、なんで田中、とか疑問視されていたけど。
付き合いが長くなるにつれて、何もされてない事を心配してくれるようになったから、認めてくれたんだと思う。
そんな中、学生には避けられないお勉強週間…定期テストの時期が近付いてきた。
勉強会と称して、龍を家に呼ぶ事を友達に話したら、保健体育の勉強を頑張れ、とか親父臭い事を言われて。
更に、その、俗に言う、コンドーさんをプレゼントされてしまった。
変に意識してしまって、ガチガチになりながら迎えた放課後。
いつもなら一緒に勉強していた部活仲間は、いらない気を遣って別行動。
まぁ、家なら親が居るから何も出来ないし、とか考えていたけど。
こんな日に限って町内会の懇親会で居ないミラクルまで起こっていた。
本来の目的である勉強を頑張ってみても、全然頭に入ってこない。
「…あ、あの、さ。」
カリカリと、ノートにペン先が走る音しかない空間が気まずくて声を掛けた。