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【HQ】脳内妄想‐シンデレラ・単発‐【R18】

第3章 祭りの夜に(黒尾鉄朗/単発)


集団で行動するとなると、私が黒尾さんに話し掛ける機会は無く。
あのマネージャーさんと、話しているのを後ろから眺め続けるしか出来ない。

その上、有り難くない事に、大人数過ぎるから別行動を提案された。
しかも、学年毎に組分けするとか言われて。
3年生は、黒尾さんと件のマネージャーさんだけ。
完全に、狙ってやったのが流石に分かった。

それを拒否しないのは、黒尾さんも嫌じゃないから。

デートに誘われたとか、それこそが勘違い。
浮かれていた自分が痛い人みたいに感じて、私の方も拒否は出来ず。
別行動になった黒尾さん達を見送る。

一応は、私も同学年の人達と回る事になってるけど、気が向かなくて。
早々に人酔いしたと言い訳して、喧騒から離れて合宿をしている学校に戻った。

殆どの人が、出払ってしまっている校舎は静かで、怖くなってくる。
恐る恐る暗い廊下を歩いて居ると、後ろから足音が聞こえた。

怖くて、振り返れなくて。
逃げたくても、足が震えて出来なくて。

足音が、真後ろまで近付いて来た時、勇気を振り絞って声を上げようと息を吸い込む。

「…きゃ…っ!」

だけど、口から音が出た瞬間に塞がれて、叫ぶ事は出来なくなった。

後ろから私を押さえているこの人は、体格からして明らかに男性で、最悪の事態が予想される。
何とかして逃げようと、体を捩ってもがいた。

「ちょっ!暴れんな!俺だっつの!」

ジタバタしていると、頭上からよく知った声が聞こえる。
動きを止めて、顔を見上げると、黒尾さんがそこに居た。
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