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ソリストは嘘つきだ

第1章 SOLO



フゥ…と小さく息を吐き、オレは指の腹で先端を撫ぜた。
ムクムクと鎌首をもたげはじめるオレのそれ。

ズボンもパンツも下げて自由になりたいけれど、さすがに桃浜の目の前でそれはちょっとな。

パンツの間から半分ほどムスコを覗かせたまま、鈴口から分泌される先走りを指に取り、塗りたくる。
部屋に差し込む斜光を受けてテラテラと光るそいつは我ながらグロいと思う。
でもこれがオレの半身だし、男ってのはどうしたってこんなもんだ。仕方ない。

桃浜はオレのこんな姿とは全然違って、全身愛らしい。寝顔も人形か何かみたいだ。

(桃浜…)

心の中で彼女の名前を呼びながら、オレのそれをしごきはじめる。
指で輪を作り、カリ周りを行ったり来たり。
敏感な部分に当たるたびに、背中を快感が駆け上り、体が揺れる。

(ンッ…ん)

オレは懸命に声を堪えてるってのに、ぬめりけを増したソイツは無遠慮にグチグチと音を立てる。憎らしいヤツだ。やってるのはオレだけど。

(ハァ…オレって、しょうもない、な…)

まったりとした顔で眠る彼女の前で、性欲に突き動かされてこんなことをしている自分が情けない。でも上下に動く手を止めることもできない。

オレが背徳感に襲われだした時、桃浜が身じろぎをした。

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