第11章 いつぞやの会話-推測編-
「エ~ルヴィーン!」
「ハンジか。どうした?」
「いや~よかったねぇ!ってことでお祝いだよ!」
「祝い…?」
「なにすっとぼけてんのさ。エルヴィンとナナバの仲直りのお祝い!」
「はは、わざわざすまないな」
「ナナバ、すっごくご機嫌だよ?さっきも鼻歌なんか聞こえてきてさ、振り返ったらにっこにこの彼女だったんだ。いやー珍しいところに出くわしちゃった」
「そうか。よかった…」
「でさ、上手くいったんだろう?食堂のアレで」
「…何の事だ?」
「ラブラブバカップル!って評判だよ。ま、そう見せかけてってやつだろうけど。……虫除けをしたい、でも誰かに何かは出来ない。そりゃ当然だよね、咎められるような事は誰も何もしてないんだ。だったらどうするか?よし、いっそ見せつけてやろう、自分も美味しい思いが出来て一石二鳥!」
「……」
「…結果トラブルが起きたとしても、その矛先は他の誰でもなく、エルヴィン自身に向けられる…」
「……」
「そう仕向けたのかなって。だいたい合ってる?」
「ノーコメントだ」
「まぁいいや。それはそうと、エルヴィンにしては珍しくない?あぁいうのってもうちょっと秘密っぽくするのかと思ってたよ。ナナバの怒りっぷりったら…一ヶ月近くお預けくらったんでしょ?」
「…まるで四六時中盛っているような物言いをするな?」
「実際そうじゃないの?」
「さぁ、どうだろう?…ただ、接触はおろかまともに会話すら出来なかったからな……」
(ふんふん。よし、コレを試すにはいい条件が揃ってる!)
「ハンジ」
「ん?」
「君が余計な気を回す必要はない」
「それってどういう意味?」
「おかしな薬を盛られでもしたら、たまったものじゃないからな」
「あちゃ、ばれてた…ざ~んねん。アレコレ試したかったんだけどな~」
「とうとう心の内を垂れ流すようになったか」
「まぁね。ばれてるんならもういいかなって。ってな訳でだ!必要になったら何時でも言ってよ!」
「気持ちだけ頂いておこう。…そんな物なくとも、常に彼女を満足させられるからな」
(うわ、凄い自信…流石エルヴィンだね)
「もう終わったか?そろそろ失礼するよ。ナナバと約束があるんだ、…朝まで」
「あぁ、ごめん。宜しく言っておいて~」ナナバ…頑張れ!)
fin