第2章 再開
「マリエ〜っ!!会いたかった!!!」
「この間あったばっかりでしょ」
受付に名前を伝えれば、すぐに奥の個室へと案内された。中にはすでにトラネスのメンバーが揃って座っていた。入り口近くに座っていたレイラがマリエに抱きついた。
「レイラ、動けないって」
「今日可愛いねっ!」
「ありがと・・・」
「俺も〜っ!マリエ久しぶりすぎなんだけど!!!」
ナオキにまで突然抱きつかれて固まっているマリエをよそに、レイラはぶーぶーナオキに文句を言いマリエから引っぺがす。困っているようなマリエを見かねてレンから声がかけられた。
「久しぶりーっていうのか、そこまで面識ないけどね。マリエちゃん?でいいの?」
「呼び捨てでいいよ、お久しぶりレン」
「ほらマリエ、突っ立ってねぇで座れ」
「タクミ…」
立ち上がったタクミはマリエに手を差し出しエスコートした。読めない彼にマリエは中々顔を合わせられず、先に声をかけてくれたレンに会釈をしつつ席に着いた。
そしてそんなタクミの行動をレイラはじっと見ていた。
「じゃ、マリエとの再会記念と、こないだのシングルミリオン記念も兼ねてカンパイ〜〜」
「なに、コレそんな食事会だったの」
「タクミはもう次の仕事の事だもんね!」
「ねぇねぇ、なんて呼べばいい?呼び捨てでいいの?」
レイラからはあんまりトラネスはオフの日まで一緒にいないと聞いていたが特別仲が悪いわけではないのか、と考えつつマリエは用意されていた紅茶を口にしていた。休日に2人以上で食事などしないマリエにとっては、4人の賑やかさがまぶしく見えてしまった。服装なんかでくよくよ悩んでいたことか馬鹿らしくも感じてしまう。
「てかさ、マリエも上京するなら教えてくれればよかったのにー!突然引っ越しちゃって、少ししたらテレビに出ててビックリしたじゃん!」
「ナオキごめんなさい、その事を今日話そうかなって。せっかくレイラがみんなを呼んでくれて・・・
友達、だったし」
「過去形かよ」
「タクミは静かに!」
レイラの隣に座るタクミはそのままレイラに口を押さえられてしまう。ナオキは笑っていて、マリエはなんだか少しでも昔に戻れたような気持ちになっていた。