第2章 再開
蓮「ぷっ、はははは」
レ「レンってば笑いすぎ」
タ「俺はマリエの歌聴くために音楽の授業はサボらなかったからな」
ナ「さすがタクミだねー!」
「あーっ、もう!みんな知らない!きらい!」
マリエの予想していた食事会の流れとは、全く別の方へと話が飛んでいく。頭を横に振り、この現実から逃れたい。
ようやくその黒歴史から解放されたと思っていたのだから。
レ「みんな久しぶりにマリエに会えたから、はしゃいじゃったのよ」
タ「まあ、こいつはマリエの歌なんてしらねぇだろうからな」
「でも、レイラもつられて笑っていたじゃない…」
レ「ご、ごめーんっ」
「いや、そんなに責めたりしたいってわけじゃないから大丈夫、うん」
自分自身にも言い聞かせるようにボヤくマリエにレンが連絡先を交換しようと提案し、二人はアドレスを交換した。
「みんなにまた会えてよかった。仕事なんだけど、トラネスと会いそうなのって避けてたの。もうそんなことしないから、改めてよろしくね」
タ「やっぱりか、うちのマネージャーにマリエがいるって聞いてたから、当日楽しみにして行ってもいねーからな」
レ「そうそう、だから私ナイショで雑誌の編集者さんに無理やり入れてもらったの!」
ナ「えっ、なにそれ、ズル!?つーか、マリエと仕事重なってたのも知らなかったし!??」
えええ、っと膝から崩れ落ちるほどショックを受けているナオキに、レンはそっと肩を叩いてやっている。
満足するまで話もでき、食事会は解散することになった。トラネスのメンバーはみんなバラバラに帰宅するようで、マリエはバンドメンバーでもプライベートはプライベートなんだなぁ、と感じた。
それが冷たいというわけでもなく、みんなそれぞれの時間を過ごしているのだろうと思う。