第11章 魅惑の人
「ん・・・・・っ」
弱々しく押し返そうとしたアヤに気づき、自責の念に駆られるサボだったが、その唇の柔らかさにそんな気持ちなど吹っ飛んでしまった。
眠っているアヤに触れた時もそうだったが、アヤはどこもかしこも吸い付くように柔らかい。
もっと、触れてェ・・・。
サボがわずかに顔を離すと呼吸を整えようとするアヤだったが、その隙を待っていたかのようにサボの舌が割り込んだ。
「・・・・んぅ?!」
びくり、とアヤの肩が揺れる。
舌で歯列をなぞられ、口内をゆっくりと暴かれてゆく。抵抗していたアヤの腕からは徐々に力が抜けていった。
「っは・・・ぁ、や・・・め・・・。」
初めて聞くアヤの甘い声に、サボの理性はどんどん奪われていった。
「っは・・・・っ。」
時折呼吸を整えては、サボは夢中でアヤの口内を弄った。
がくん・・・とアヤの膝が折れ、壁からずるずると落ちてゆく。
はっと我に返ったサボはアヤが倒れてしまわないようにしっかりと支えると、そのままアヤに覆いかぶさるように屈みこんだ。
ここが外だということを忘れそうな程にサボの気持ちは昂っていたが、
アヤの気持ちも聞かないまま、これ以上はいけない。
ひとまず、十分すぎる位アヤには自分を意識させる事ができただろう。
小さく肩で呼吸をするアヤの耳に顔を寄せると、サボは満足気に囁いた。
「思い知ったろ?」