第9章 牙を抜かれた四皇
必死の形相で詰め寄るアヤに、サボは近くにいたコアラに目線で意を伝える。
「はいはい。そ・う・ちょ・う!!」
コアラが電々虫を持って来て差し出す様子をアヤはじっと見つめた。
コアラをはじめ、ハックさんもサボの部下だって言っていたし、サボってもしかして、革命軍でかなり上の方の人なのかな・・・?
「ね、サボってもしかして、偉い人なの・・・?」
「あ・・・?」
コアラから電々虫を受け取りながら疑問を投げかけたアヤに、あ~~・・・。と返事をしながらサボはポリポリと頭を掻いた。
するとにこにこしながらコアラがアヤに顔を寄せた。
「ふふふ。サボ君はね、革命軍のNo.2なんだよ~?革命軍参謀総長!って言ったらサボ君のこと!
頭もキレるし、めちゃくちゃ強くて地位もある!とってもお得物件だと思いますよぉ~?」
「コアラ、妙な補足しなくていい・・・。」
サボが照れくさそうにしっしと手を振ると、アヤは目をキラキラさせた。
「No.2・・・!すごい!!サボって昔っから冷静でみんなを取りまとめるのが上手いと思ってたけど、やっぱり才能だったんだね!!」
「やめろよ・・・。ほら、早く電話しろ!」
素直に称賛するアヤに、サボは照れくさそうに電々虫を指さした。
あ~!!サボ君照れてる~!!みてみてハックさ~ん!とコアラがニヤニヤしながらからかうと、耐えきれずサボは立ち上がってコアラ達と揉め始めた。
アヤは微笑ましいやり取りを笑顔で見守りつつ、電々虫を手にとった。
バッグから取り出したメモ帳を見ながら数回ボタンを押すと、コールが鳴る間もなく電々虫があっという間に擬態した。
『アヤかッッ??!3日も連絡無いとか何があった??!
怪我してねェか?!ヒューマンショップに攫われたりしてねェだろうな???!』
慌てたシャンクスの怒涛の質問攻めが続く。
そこには威厳溢れる四皇の面影は無い。
うわぁ・・・と思わずサボ達は引き笑いをした。