第8章 革命軍
(あの女の子になんてだぁ~れにも興味なさそうだったサボ君が超絶過保護だよ。ハックさん・・・!)
(ああ。これは面白い・・・くく。)
コアラとハックさんがヒソヒソと顔を合わせている。
周囲の人たちもニヤニヤしながら私達を遠めに見ていて、もう恥ずかしくてたまらない!
「サボ~~~~~!!」
小さく悲鳴を上げながらアヤが顔を両手で覆っていると、すとん、と急に床に下ろされた。
「ドラゴンさん、幼馴染のアヤです。」
奥の執務室のような場所に下ろされ、大きな机の向こう側で書類を見つめていた男性が顔をあげた。
顔にタトゥーのようなものが大きく掘ってある厳格そうな人だ。
「ああ・・・サボか。」
ドラゴンは立ち上がると、アヤに視線を向けた。
「アヤと言ったな。おれは革命軍の指揮をしているドラゴンという者だ。
今回は子供達の事を救ってくれて助かった。礼を言う。」
この人が、革命家のドラゴンさん・・・!
昨夜サボから少し話は聞いていたが、もとより“革命家ドラゴン”の噂は何度も耳にしていた。
アヤはぴしっと背筋が伸びた。サボを救ってくれた張本人でもあるし、失礼の無いようにしなければ。
「とんでもないです!むしろ助けていただいて、お礼を言うのはこちらの方です。
それに、サボの事も・・・本当にありがとうございます!!」
頭を下げたアヤにドラゴンは微笑んだ。
「傷が癒えるまでゆっくりして行くといい。何か必要な物があったらサボに言え。」
「はい・・・!ありがとうございます!」
黙って二人のやり取りを聞いていたサボだったが、
話が終わった事を確認すると、再びアヤを横抱きにした。
アヤはじたばたと抵抗する。
「サ、サボ!本当に大丈夫だからっ・・・!」
「聞かねェ。」
「もぉぉ~~~~!!!じゃあ、せめて車椅子とか・・・!」
「あんな冷たくてかてェもんよりこっちの方が手っ取り早いだろ!」
ちがうよ!恥ずかしいんだってば~~~!
アヤが心の悲鳴を上げていると、ドラゴンが高らかに笑った。