第8章 革命軍
子供達の所に行く前に、会って欲しい人がいる。とサボに声を掛けられた。
アヤが手を引かれ大きな広間に入ると、中にいた人たちの視線が一斉にこちらを向いた。
「お・・・おぉ~~~!!!あんたがサボの幼馴染のアヤちゃんか!!」
革命軍の一員と思われる人たちがわらわらとこちらに駆け寄って来る。
「あの!ご迷惑おかけしています!アヤです。この度は助けていただいて本当にありがとうございます!」
アヤがぺこりとお辞儀をすると、広間の奥から勇ましい笑みで歩み寄る男が一人。
「お初にお目にかかる。私はハックと言う者だ。革命軍ではサボの直属の部下にあたる。
子供達を救ってくれた事にまずは礼を言う。噂はかねがね、此度は貴殿にお会いできて嬉しく思う。」
礼儀正しく頭を下げたその方は、胴着のようなものに身を包んだ勇ましい魚人の男の人だった。
で、でもこんな強そうな人がサボの“部下”って?!サボ、一体革命軍でどんな地位なんだろう・・・。
ドキドキしながらアヤはハックと握手をした。
「アヤさん!もっとサボ君とイチャイチャしてから来ても良かったのにぃ~!」
にこにこしながらコアラが駆け寄って来る。
アヤは慌てて首を振った。
「も、もぉ!コアラ、私たちそんなんじゃ・・・!」
慌てて否定する私をよそに、サボはアヤの手を引いた。
「こっちだ。」
サボに急に手を引かれ、私は慌てて足に力を入れた。
「あ、待って・・・あいたっ。」
キリリ、と少し痛んだ腹部にサボがはっとしたようにこちらに向き直り、屈みこんで私に目線を合わせた。
「悪ィ!まだ傷が痛むか・・・?」
殆ど塞がってるみたいだから、大丈夫・・・と言いかけた私は、突然サボに抱き上げられた。
どよっと周囲にいた人達から驚きの声が上がる。
私は恥ずかしくて、一生懸命サボに訴えた。
「サ、サボ!!大丈夫だから!歩くくらい何とも・・・!」
「お前は昔っからやせ我慢するから、信用ならねェ!」
ピシャリと否定すると、サボはぐんぐんと歩き始めた。
え、えぇ~・・・。そんな事ないのに・・・!
革命軍の人たちの視線が集まり、恥じらうアヤは顔を真っ赤にした。