第7章 再会
わずかに朝日が差し込む。サボが目を開けると、少し開いた窓から風が吹き込み、カーテンが揺れていた。
「朝・・・か。」
サボが体を起こそうとすると、柔らかい感触が頭に触れ、ぱさりとブランケットが落ちた。
「うわっ・・・!アヤ?!」
アヤがサボを膝枕した状態で、傍らですやすやと寝ていた。
どうやらソファで語り明かした後、そのままお互い寝てしまったようだ。
久しぶりにぐっすりと眠れた気がした。悪夢も見なかったし、何より体がとても軽い。
サボは体を起こし落ちたブランケットをアヤにかけてやると、その顔をじっと見つめた。
長い睫毛をかすかに揺らしながら眠るその姿は、まるで眠り姫のように美しい。
「そういえば昔からお前は・・・俺達のお姫様だったよな・・・。」
アヤに近づくと、その頬に触れた。
吸いつくような柔らかい感触に、どくんと心臓が高鳴る。
サボは無意識にアヤに顔を寄せ、そっと口づけた。
ぴくりとアヤが動き、ゆっくりと瞳が開かれる。
サボははっとしたように体を離し硬直した。みるみる体が熱くなり赤面した。
(俺、今なにした・・・?!)
「おはよ・・・サボ・・・。ちゃんと寝れた・・・?」
うつろな様子で目を擦るアヤに、サボはぎこちない動作でソファから立ち上がり、一歩ずつ離れた。
「あ!!?あァ~~~!!よく寝れた!!つーか寝ちまったみたいだ!!ありがとな!おはよう!!!」
「・・・?どうしたの?サボ?顔がすっごく赤いよ?」
後ずさるサボの手を引きアヤは再びソファに腰かけさせると、額に手を当てた。
(ち、近ェ!!やべェ・・・!!)
「だ、大丈夫・・・!だから・・・!」
純粋に心配しているアヤに、気恥ずかしさと罪悪感が膨れ上がる。
たまらなくなったサボは、慌てて両手でそれを拒んだ。
「熱は無いみたい。良かった。」
何も知らないアヤがサボににっこりと微笑む。その笑顔といったら、たまらなく可愛い。
サボは思わずアヤの腰に腕を回し、抱き寄せていた。
「さ、サボ・・・?」
「・・・・・。」
わざとらしい先ほどまでの笑顔がすっかり消え去ったサボは、ぐいっとアヤの顎を持ち上げると顔を近づけた。