第5章 後悔
「うわああああああああああっ!!!!」
サボが悲鳴を上げて体を起こすと、そこは見慣れた自室のベッドだった。
シャツがはり付く程にびっしょりと汗を掻いている。
「はぁ・・・はぁ・・・っ、う・・・ぐ・・・おえええっ」
胃袋から逆流して来るものに耐えられず、思わず洗面台へと駆け込む。
間もなくドアをドンドンと叩く音が聞こえてきた。
《サボ君?大丈夫?!すごい声が聞こえたけど・・・。》
ドア越しに心配そうに声をかけてきたのは部下のコアラだった。
「はぁ・・・はぁ・・・。大丈夫だ・・・コアラ。つーか、寝ろよ・・・。」
《でもっ・・・。・・・・・うん。おやすみなさい。》
こればかりはどうしようもない事だ。
コアラも理解したように小さな声で返事をすると、気配が遠のいていった。
時計の針は深夜2時を指していた。朝までまだ長い。
顔を洗って鏡を見つめる。酷いクマだ。
記憶を取り戻してからというものの、俺は満足に眠れた夜が無い。
見かねたイワさんからルフィとアヤに会いに行けと言われたが、俺は中々決断できずにいた。
「今更・・・どんなツラして会えばいいんだよ・・・。俺は・・・エースに何もしてやれなかった・・・。」
目頭が熱くなるのを堪えて、俺はシャツを脱ぎ捨てシャワールームに入った。